お金がふえるシンプルな考え方―マネーのルール24
山崎 元
ダイヤモンド社 刊
発売日 2001-10
運用は、自分で判断しないとおもしろくないし、危険である──。著者があとがきで述べているとおり、この本を読んだあとは、金融機関の「お客様相談窓口」に行くのがはばかれてしまう。
本書の特徴は、リスク許容度や資産配分を決める簡単な考え方と計算方法を具体的に提示している点にある。取れるリスクの上限を決めて資産配分をしましょう、ということは理解できても、具体策まで考えるのが面倒で、資産運用や投資そのものを見送っている人も多いはずである。本書では、その具体的な方法を明らかにしているので、面倒が大嫌いな人にもおすすめだ。また、たとえ面倒でも、理論的な説明がないと信じられないという人のためには、巻末に補足解説が載っている。
本書で書かれている「運用について知るべき考え方のエッセンス」は、そう難しいものではない。また、本書は個別の金融商品に関する解説書ではなく、投資に対する普遍的な考え方をまとめた本なので、一度理解すれば、それぞれが応用して、自分のスタイルを確立させていくことも可能である。
著者は、国内外のさまざまな金融機関を経て、現在、三和総合研究所金融本部主任研究員と企業年金研究所顧問を兼務している人物。ごまかしをせず、断言するところはきっぱりと断言しながらも、ユニークな表現を兼ね備えた文章は非常に読みやすい。
「商品選択は、1にリスク、2にコスト、3、4がなくて、5に好き嫌い」。こんな調子のアドバイスは、楽しく頭に入ってくるに違いない。(朝倉真弓)
個人投資家の視点に立った誠実な本 2006-03-19
世の中、とかく「こうすれば儲かる」的なトーンの本が多い中、投資商品の売り文句のどこがきな臭いのかに関する多くの事例を挙げつつ、投資の基礎を客観的な立場から説いている良書だと思います。また、借金の返済に勝る運用は無いこと、生命保険のようなコストの開示が不透明な商品との基本的な付き合い方、株式投資のリスクは投資リスクだが外為投資はゼロサムの投機であること、等々良く考えれば当たり前という多くの事柄を再認識させてくれます。個人投資家には、これ一冊で十分とはいかないかもしれませんが、多くの浮かれた(そして誤った)個人投資の本とは一線を隔する清涼剤であることは間違いないと思います。
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